NPO法人みんなの家
みんなの家の基幹事業は小規模デイサービス。1999年5月に開設しました。
西伊豆町と松崎町に住む介護が必要な高齢者が通って来ます。一人一人の人生を深く理解しながら今に寄り添います。まるで西伊豆の夕日のように、人生の最後のステージを鮮やかに輝いて過ごしてもらいたい…。輝くためにも、デイサービスの中だけに留まらず、再び地域社会の中に出かけて行き、様々な人達との交流を取り戻す。そんなお手伝いをすることが、私達の仕事だと考えています。
普段の様子
アットホームな空間
1日の定員は10人。古い民家を使っているので、「○○さんの家にお茶飲みに集まったよ」的な雰囲気が漂っています。お年寄りと介護スタッフが、同じ時間を暮らし合う場所です。年末年始の6日間を除く毎日(土日、祝日も)、デイサービスを実施しています。
お楽しみの昼食
食事はお年寄りにとって、大きな楽しみの一つ。毎日、台所で調理スタッフが一から手作りしています。畑で育てている野菜をお年寄りと収穫してきて、その日の料理にすぐに使ってもらえます。また、ご近所の人達から、食べきれないからと野菜やお魚や貝等を頂くことも多く、その季節ならではの地場産品が美味しい料理となって出て来ます。
臨機応変な対応で家族をサポート
住み慣れた地域で、自分らしく暮らし続けてもらいたい。だからこそ、臨機応変なサービス提供をする“宅老所”として活動しています。
具体的には介護保険外の自主事業として「お泊まり」や「家への訪問」「外出支援」等を、デイサービス利用者に限って、要望があった時に応じています。例えば、急な葬式が入った、介護者の具合が悪くなった等、突発的な事態が起こった時に、お年寄りを一晩預けられる所があるという安心感が、在宅介護を続ける上で、家族の大きな支えになっています。
生活の広がりを取り戻す
風光明美な観光地の中にあるみんなの家。天気が良ければ、リハビリを兼ねて、午前中は散歩に出かけることが多いです。日光に当ることで、昼夜のリズムを取り戻し、気分もリフレッシュ。しばらく会っていなかった知人に、外出先でバッタリ出会うこともあります。
自宅と施設の間を行ったり来たりするだけでは、生活が広がりません。狭まりかけた生活を、みんなの家のデイサービスを足掛かりに、再び取り戻す。それが目標です。
ケアで大切にしていること
お年寄りの話を聴くこと
デイサービスで一日を過ごす中で、折に触れ、その方の生活体験や人生経験に耳を傾けることを心がけています。
また、聴いた内容をより多くの人達と共有するために、お年寄りの人生そのものを描いた「人生紙芝居」を手作りしています。これまでに創った作品は70作品以上。その方が80年、90年を生きてきた上で、一番誇りに思っていることは何か、一番大切にしてきたものは何か。相手を知り続けようとする営みがケアの本質と考えます。
2017年11月、講談社より『新しい回想レクリエーション「人生紙芝居」』が発刊されました!
お年寄りの社会貢献を支援すること
年齢を重ねる上で、どうしても体や頭の老化が進み、家族や他人の世話にならなければならない場面が増えていきます。長生きしても、家族に迷惑をかけてしまっている今の自分に、自己肯定感を感じることはできません。心の安定には、「やってあげること」と「やってもらうこと」のバランスが大切です。みんなの家では、デイサービスのご利用者が、たとえ要介護状態になっても、他者の役に立つ場面を数多く創っていこうと思っています。
デイサービスのご利用者の社会貢献活動の一つが、地元の小学校を訪ねての戦争体験伝承です。小学生はもちろん、戦後生まれのスタッフにとっても、戦争体験者は平和の尊さを説く先生です。語ることは、辛い過去を思い出す作業でもありますが、未来を担う子供達に伝えなければという思いで語って下さるお年寄りがいます。使命を感じて今を生きる。一日一日が充実し、輝きます。
その他の活動
駄菓子屋じぃばぁ
縁側スペースを使って、土曜・日曜日の午後13時30分~16時まで、駄菓子屋を開店しています。みんなの家に通うお年寄りと、地域の子供達の、ごく普通の交流の場を創ることがねらいです。1個10円・20円の駄菓子がいろいろと並び、お年寄りの手作り品のお手玉や風車もあります。
田舎と言えども、老人と同居していない子供が大半です。老人のありままの姿を垣間見てもらう中で、“老い”を嫌悪せずに、受け止める心の素地が自然と育っていけばいいなと思っています。
西伊豆いろは組(失語症友の会)の後方支援
脳血管疾患や交通事故で脳の言語を司る部分が傷つくと、《読む・聞く・書く・話す》という言語機能が難しくなります。相手の言っていることがよく分からない、自分の思いを相手に伝えられない、これらのことは生活していく上で、大変なストレスを生みます。また、十分に周知されていない病気であるため、相手から認知症と誤解されたり、腹を立てられたりすることもあります。
失語症なっても前向きに生きるには、同病の仲間の存在が重要です。全国には「失語症友の会」という失語症患者の会がいくつもあります。静岡県賀茂地区では、「西伊豆いろは組」が唯一存在しています。NPO法人みんなの家では、西伊豆いろは組の事務局を担い、地元失語症患者の支援を、住民会話ボランティアの方々と行っています。
運営方針
NPO法人みんなの家は、多様な人々がお互いに理解し合い、助け合い、共に生きる社会の実現を目指し、老人や障害者が自分の人生や障害を活かして、地域社会の中で居場所と役割を確保し、外出活動できるように、地域住民と共に支援します。
事業内容
- 通所介護事業所の運営を通じて、下記のことを西伊豆地域において実施します。
- 老人や障害者の在宅生活を支援する事業
- 老人や障害者の社会参加を支援する事業
- 老人や障害者と子供達との交流を図る事業
- 老人や障害者が暮らしやすく観光しやすい町づくりを推進する事業を、西伊豆地域において実施します。
団体概要
名称 | 特定非営利活動法人みんなの家 |
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所在地 | 静岡県賀茂郡西伊豆町中745番地の3 |
電話番号・FAX番号 | 0558-52-4730 |
メールアドレス | min7noie@poem.ocn.ne.jp |
法人設立年 | 1999年 |
代表者 | 奥田俊夫 |